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書籍

ポストコロナと現代アート　16組のアーティストが提起するビジョン

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そこにはきっと、私たちや、あなたもいます。

本書「はじめに」より

2020年に設立されたポストコロナ・アーツ基金（PCAF）の活動をまとめた書籍『ポストコロナと現代アート　16組のアーティストが提起するビジョン』（左右社）が刊行のはこびとなりました。本書は2021年11月に開催された展覧会「『新しい成長』の提起ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」を軸に、参加アーティストのインタビューと作品紹介、多様な論考群や関係者のことば、さらに展覧会期中に行われた公開トークの概要なども収録しています。

PCAFはコロナ禍で制作・発表の場を失っていたアーティストを支援すべく発足しました。その際、コロナ後の社会を共に考えようとのメッセージを送り、これに参加アーティストが応答するかたちで各プロジェクトが進行しました。そうして現れた16のアートは、今を生きる私たちすべてに問いや想いを投げかけてくるものでした。

コロナで変わってしまったものに、失望を越えて可能性を見出そうとする人。コロナ禍があぶり出した、私たちが見ないふりをしてきた課題を見つめる人。パンデミックの時代に新しい命を授かり、次の世代を皆で支えることを想う人。コロナによっても変わらない普遍的な問いに、信念をもって向き合い続ける人。そして「これからの社会」を手探りで想像していく人々。

まだ見ぬポストコロナの時代に、私たちの心や生き方は「成長」できるでしょうか。できるとすれば、それは今までとどこが異なり、どのように可能なのでしょうか。本書が、皆さんと一緒にその扉をひらく鍵となることを心より願っています。そして、本書の実現を支えてくださった全ての皆様に御礼申し上げます。

基本情報

＊PCAFは民間有志によるPCAF実行委員会と、東京藝術大学との共同事業です。

主な内容

参加アーティスト&プロジェクト

青柳菜摘　家で待つ君のための暦物語
池田剛介　衝立、屏風、パンデミック
遠藤麻衣　現代に転生したマリリンを僕は弁護（まも）りたい
大和田俊　
小泉明郞　自由の呪文
SIDE CORE　 empty spring
サエボーグ　プートピア（Pootopia)
竹内公太　文書1：王冠と身体（第2版）
Chim↑Pom from Smappa!Group　はい、こんにちは
中村裕太　いかものの問題！
西村雄輔　地の精神
長谷川愛　富士山噴火茶席
布施琳太郎　僕のいない教室に射した言葉の水面をすべる船
毛利悠子　Untitled (Voice and 9 Receivers)
百瀬文　Flos Pavonis
柳瀬安里　そこに、何が映っていても目に見えない

論考

「ポストコロナ」について最初に考えなければならないこと
椹木野衣｜PCAF選考委員、美術評論家、多摩美術大学教授、芸術人類学

私のものであり、私のものではない空間——複数のユートピアについて
藪前知子｜PCAF選考委員、東京都美術館学芸員

コロナ禍を梃子（てこ）とした新たな展開
鷲田めるろ｜PCAF選考委員、十和田市現代美術館館長

「新しい成長」とは？「ポストコロナ社会」とは？
毛利嘉孝｜東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授、社会学者

PCAF実行委員会・東京藝術大学より（関係者のことば）

アートを支え、アートに学ぶ
大林剛郎｜PCAF実行委員会 発起人・役員、株式会社大林組 代表取締役会長

アーティストの逞しさを実感
服部今日子｜PCAF実行委員会 発起人、PHILLIPS Auctioneers 日本代表

アーティストたちが突きつけてくれた 「問いの見直し」
御立尚資｜PCAF実行委員会 発起人・役員、公益財団法人大原美術館 理事

不要不急でないアートの価値
森佳子｜PCAF実行委員会 発起人、森美術館 理事長

生きる力としての芸術
日比野克彦｜東京藝術大学学長

「偏業」たる芸術家の可能性
澤和樹｜ヴァイオリニスト、 前・東京藝術大学学長

＊PCAFは民間有志によるPCAF実行委員会と、東京藝術大学との共同事業です。

座談会

展覧会オープニングトーク／クロストーク／クロージングトーク抄録
登壇者：竹内公太、西村雄輔、毛利悠子、エリイ （Chim↑Pom from Smappa!Group）、青柳菜摘、布施琳太郎、柳瀬安里、藪前知子、鷲田めるろ、大林剛郎、岡崎奈美子、河邊徹也、遠山正道、服部今日子、松葉邦彦、御立尚資、中村政人、毛利嘉孝ほか