このたび、11月の新会期によるPCAF展開催をお知らせできることを大変嬉しく思います。昨年、世界は、新型コロナウィルス感染症という厳しい試練に直面しました。コロナ禍が、我々の直面する社会的な課題を、顕在化させ、加速化させ、深化させて我々に解決を迫ってきております。PCAFは、このコロナ禍においても文化芸術の営みを消してはならないとの思いから始まり、そこから、コロナ禍以降の新しい生き方やより良き社会のあり方についてアーティストと共に探る試みへと発展しました。
去る6月に開催予定だったPCAF展覧会は、各参加アーティストがこの課題に向き合うことで生まれた表現や活動を社会に届け、私たちが共に考える最初の機会となるはずでした。しかし、まさに新型コロナそのものの影響で延期を余儀なくされる試練に直面しました。アートの目的は、心の救済であり、また現代社会が抱える諸問題に対して警鐘を鳴らす、炭鉱のカナリアでもあります。ただし、このカナリアは自らを犠牲にするのではなく、その創造力によって私たちに訴えてくれるのだと考えます。延期を決め、関係者や来場者の皆様にとってより安全な開催を目指した背景には、そうした思いもありました。
延期決定からの数か月間も、国内外で本当に様々な出来事がありました。新型コロナをめぐる状況もいまだ予断を許しませんが、コロナ禍以降の社会を皆で考えていくことの大切さは一層増していると感じます。この試練の中でも志と情熱を失うことなく活動を続ける参加アーティストの皆様に心から敬意を表します。また、残念ながら延期後に諸事情で参加を取りやめることになったアーティストもおられますが、最後まで可能性を検討してくださったことに心より感謝申し上げます。
展覧会では、私たちがこれからの社会を考えるうえで示唆に富む刺激をくれる創造性あふれる表現の数々に出会えることを、実行委員会一同、心より期待しています。ぜひ皆様も、引き続きPCAFの活動にご注目いただき、更なるご支援を頂ければ幸いに存じます。
川村喜久
2021年10月 PCAF実行委員会事務局長
- PCAFは民間有志によるPCAF実行委員会と、東京藝術大学との共同事業です。
- 新会期は2021年11月13日(土)~28日(日)、会場は東京藝術大学大学美術館 本館(上野)となります。詳細は本サイトの「EXHIBITION|展覧会」もご覧ください。
- 展覧会日程変更に伴う再調整の中で、当初このプロジェクトに参加予定であった雨宮庸介氏は諸事情から不参加となりました。大変残念ではありますが、最後まで可能性を検討してくださった雨宮氏に深謝致します。また事前のワークショップなど氏の関連活動にご参加いただいた皆様にも御礼申し上げます。
■ポストコロナ・アーツ基金 運営体制
PCAF実行委員会
発起人/役員(五十音順):井上智治(一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン代表理事)、大林剛郎(株式会社大林組 代表取締役会長)、須藤 潮(吉野石膏株式会社 代表取締役副社長、公益財団法人吉野石膏美術振興財団 評議員)、遠山正道(株式会社The Chain Museum 代表取締役社長)、御立尚資(公益財団法人大原美術館 理事)、山本誠一郎(Y-Labs 株式会社 代表取締役)、川村喜久(事務局長)(一般財団法人川村文化芸術振興財団 理事長)
発起人(五十音順):浅生亜也(株式会社サヴィーコレクティブ 代表取締役)、安東泰志(ニューホライズンキャピタル株式会社 代表取締役会長)、大西 洋(株式会社羽田未来総合研究所 代表取締役社長)、木越 純(バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店 副会長)、倉田陽一郎(Shinwa Wise Holdings株式会社 代表取締役社長)、小柳敦子(公益財団法人小田原文化財団 代表理事)、寺田航平(寺田倉庫株式会社 代表取締役社長)、服部今日子(PHILLIPS Auctioneers 日本代表)、藤波克之(FSX株式会社 代表取締役)、松葉邦彦(株式会社TYRANT 代表取締役 / 一級建築士)、水口 翼(サイブリッジグループ株式会社 代表取締役会長兼CEO)、森 佳子(森美術館 理事長)、山中 武(株式会社マルニ木工 代表取締役社長)
監査:桶田大介(弁護士)
ほか、PCAF実行委員 一般会員の皆様
東京藝術大学
澤 和樹(東京藝術大学 学長)、日比野克彦(東京藝術大学 美術学部長)
選考委員
椹木野衣(美術評論家、多摩美術大学教授)、藪前知子(東京都現代美術館学芸員)、鷲田めるろ(十和田市現代美術館館⻑)
■PCAF実行委員 一般会員募集
PCAFでは、その活動趣旨にご賛同頂ける方々に寄付等の形でご協力いただく「PCAF実行委員 一般会員」も常時募集しております。詳細は本サイトの「DONATION|寄付のご案内」をご参照ください。